阿佐ヶ谷に住む少女ミミちゃんと、太古よりこの国に居る7人の奇妙でくたびれた神様たちが「逃げたおばあちゃんの九官鳥」を捜して東京中を駆け巡るひと夏の冒険ファンタジー!
監督は映画館「ラピュタ阿佐ヶ谷」や出版社「ふゅーじょんぷろだくと」を経営する才谷遼。大学時代に岡本喜八監督に師事して以来、ずっと、映画への夢を温め続け、この混沌とした2014年の夏に、新人監督として、遂に満を持してデビュー。 天性の反骨精神から、本人曰く、せっかちなやぶにらみの目線でニッポン近代史の影の断片を 映像でコラージュしていく。もちろん、17歳の少女ミミちゃんの視点を通して、時にファンタジックに、時にリアルに、時にノスタルジックに、かつてみたことない映像体験が展開する。
主演のミミちゃんは映画初主演、17歳の白波瀬海来(しらはせかいら)。一か月に渡るオーデションを経て、満場一致で決定。その瑞々しさは日本映画の新しい発見だ。ほか、神様たちに、映画界からベテラン・川津祐介、山谷初男、演劇界から長森雅人(無名塾)、個性派飯田孝男(発見の会)、なんきん(ワハハ本舗)らが集合。スタッフも加藤雄大(撮影監督)、山川英明(照明)、川島章正(編集)ら、一流メンバーが集結。本作の見どころでもあるアニメパートは人形アニメーターの真賀里文子(代表作『コンタック』『NTTドコモダケ』などのCMアニメーション)が担当。
ミミちゃんは17歳の高校生。両親と3人、中央線阿佐ヶ谷で暮らしている。抜群の記憶力で成績はいつもトップクラス。優等生としては申し分ないが、かなり浮いた存在として、居心地が良くない日々を過ごしている。心のはじっこでいつも思う、“私の本来の場所、本当の自分”とは――――。
ある日の下校時、巨大送電線の下で雷に打たれるミミちゃん。その場に居合わせた雷神のらーさんをきっかけに出会う、風神(ふーさん)・阿修羅(あーちゃん)・大黒天(大ちゃん)・海神(うみさん)・田の神(たーさん)芸能の神(ミッキー)と、摩訶不思議でちょっぴりくたびれた神様たち。
特別養護老人ホームで暮らし、大事にしていた九官鳥を失ってしまった静おばあちゃん。“神様的手段”を使って1940年代の阿佐谷にタイムスリップし、歌う九官鳥“ハクシ”を探す旅に出るミミちゃんと神様たち。16歳の静と、その憧れの詩人・北原白秋との出会いが、内に籠りがちな少女のアイデンティティに揺さぶりをかけていく。
ミミちゃんの運命が変わった“あの日”。東日本大震災の3日後、東京にセシウムの雨が降り注いで以来、食事をするとチクチクと痛む舌の異変。いつしか、舌の痛みの原因を突き止めようと、神様たちとの冒険がセシウムのホットスポットと放射能をめぐるものへと変わっていって―――――。
ミミちゃんはハッピーエンディングを迎えられるのか!?2014年の夏、世にも不思議な大冒険がいま始まる!!
1997年千葉県生まれ。
2013年よりグリーンメディア所属。映画・テレビドラマ・モデルなど幅広く活躍中。本作が映画初主演。天性の瑞々しさがオーデションで満場一致で評価され、全く無名の新人だが異例の大抜擢を受ける。
主な出演作:映画『マンゴーと赤い車椅子』(2015年春公開予定/仲倉重郎監督)テレビドラマ『SHARK』(2014年/日本テレビ)土曜ワイド劇場 『鉄道捜査官14』(2014年/テレビ朝日)『魔法☆男子チェリーズ』(2014年/テレビ東京)モデル『千葉美少女図鑑』。
1963年神奈川県生まれ。
1986年に仲代達矢が主宰する無名塾へ入塾。舞台を中心に映画・テレビドラマ・吹き替えと多岐に渡り活動。
主な出演作:舞台『いのちぼうにふろう物語』、『ドライビング・ミスデイジー』、『ロミオとジュリエット』、大河ドラマ『天地人』(2009年/NHK)映画『ガメラ2 レギオン襲来』(1996年/金子修介監督)『助太刀屋助六』(2002年/岡本喜八監督)『突入せよ!あさま山荘事件』(2002年/原田眞人監督)『陽はまた昇る』(2002年/佐々部清監督)。
1945年大分生まれ。
1968年から演劇活動を始め、大人計画の客演など40本以上の舞台に出演。アンダーグランドの演劇活動を行う。映画、舞台、CM、PV,TVと個性的なマスクを生かし、幅広く活躍。最近では大根仁演出「リバーズエッジ探偵社」にレコード屋の店主役が新しい。
主な出演作:舞台『季節のない街』(2012年/戌井昭人 演出)、映画『ラブドガン』(2004年/渡辺謙作監督)『全然大丈夫』(2007年/藤田容介監督)『ハンサム★スーツ』(2008年/英勉監督)『裁判長!ここは懲役4年でどうすか』(2010年/豊島圭介監督)『ソラニン』(2010年/三木孝浩監督)『雷桜』(2010年/廣木隆一監督)『ノルウェイの森』(2010年/トラン・アン・ユン監督)など。
1935年東京生まれ。
1958年、木下恵介監督の推薦を受けて『この天の虹』で銀幕デビュー。以後青春スターとして大活躍。松竹退社後は、テレビドラマへ活躍の場を広げる。近年は知的で温和な紳士像として知られ、陶芸・絵画などの創作活動でも多才ぶりを発揮。紺綬褒賞受賞。
主な出演作:映画『風花』(1959年/木下恵介)『青春残酷物語』(1960年/大島渚)『けんかえれじい』(1966年/鈴木清順)テレビドラマ『ザ・ガードマン』(1965—71年/TBS)大河ドラマ『春日局』(1989年/NHK)。
1933年秋田県出身。
“はっぽん”の愛称で親しまれる個性派俳優。1953年に劇団東芸で初舞台を踏む。映画『胎児が密漁する時』(若松孝二監督)で脚光を浴び、寺山修司宰の天井桟敷公演『毛皮のマリー』に参加。大河ドラマ『国盗り物語』で人気を不動のものにする。蜷川幸雄演出『王女メディア』では海外でも高い評価を受ける。
他の出演作に映画『火宅の人』(深作欣二監督)『カンゾー先生』(今村昌平監督)『鉄道員(ぽっぽや)』(降旗康男監督)『どろろ』(塩田明彦監督)やテレビドラマなど多数。また、秋田弁で歌うシャンソン「ボン・ボヤージュ」や全曲寺山修司作詞のアルバム「山谷初男の放浪詩集 新宿」を発表するなど味わい深い歌声で歌手としても活躍している。
1959年東京都生まれ。
イラストレーター・漫画家としてデビュー後、自作漫画による各種公告やTV番組のタイトルアニメーション、カードゲームの商品開発およびキャラクターデザイン等を行う。1984年ワハハ本舗の創立に参加。告知公告、グッズイラスト、小道具製作などを手掛けながら、公演にも出演者として参加。1988年CG製作を開始。創作活動の場を紙媒体からWebに移行する。2007年、別名で某バーチャルワールドでの作品発表を開始・継続中。近年は自作楽器の前衛バンド「OBANDOS」の正式メンバーとしても活動中。
1949年福岡県柳川市生まれ。
1972年西南学院大学文学部外国語学科仏語専攻を卒業後、パリに移住。1977年パリ第四大学中退。1978年より読売新聞パリ支局で助手を務め、1992年読売新聞ヨーロッパ社・フランス社長に就任。2000年1月退職。以後パリを拠点に欧州と日本を行き来し、“祭り”文化を調査・研究。共同体における人の行動体系を比較し、大衆文化の違いを通じて日本を再発見中。本作で映画初出演を果たす。
1997年埼玉県生まれ。
CREP所属。現在NOTTVバラエティ番組『アルバイドル』に出演中!
その他ドラマ『近キョリ恋愛~Season Zero~』(日本テレビ)ドラマ『GTO』(フジテレビ)で熱演中!映画初出演の本作ではミミの祖母・静の青春時代を初々しく好演。主な出演作:ドラマ『マジすか学園2』(2011年/テレビ東京)『放課後はミステリーとともに』(2012年/TBS)ドラマ『シャキーン』(2013年/NHK)舞台『ザ・ランド・オブ・レインボウズ』(2013年)
1952年大分市生まれ。
日大芸術学部映画学科在学時より岡本喜八監督に師事。1982年、株式会社ふゅーじょんぷろだくと設立。まんがアニメ専門誌「COMIC BOX」を創刊。1998年、複合施設ラピュタビル(映画館・小劇場・レストラン)をオープン。映画館「ラピュタ阿佐ヶ谷」では邦画旧作上映に注力するとともに、国内外の短編アニメーションを集めた映画祭を開催。2006年「アート・アニメーションのちいさな学校」を開校、事務局長を務める。
黒沢明監督『椿三十郎』『天国と地獄』『赤ひげ』の撮影助手を経験。撮影監督として『連合艦隊』で一本立に。木村大作氏の後を継いで岡本喜八監督『近頃なぜかチャールストン』『ジャズ大名』など担当。大森一樹監督『ゴジラVSビオランテ』、津川雅彦監督『旭山動物園物語 ペンギンが空を飛ぶ』や大林宣彦監督『この空の花―長岡花火物語―』他5本を手掛ける。杉田成道監督『ラストソング』で第18回日本アカデミー賞優秀撮影賞受賞。クロード・ガニオン監督『ケニー』はモントリオール世界映画祭グランプリに輝く。最新作は、神山征二郎監督『救いたい!Doctor’s Wish』が2014年秋公開予定。
1946年新潟県生まれ。
1985年にネパールを舞台にした戸田康貴監督『菩提樹の丘』で照明技師となる。小栗康平監督『眠る男』で日本映画・テレビ技術者協会日本映画技術賞を受賞、今村昌平監督『カンゾー先生』で第22回日本アカデミー賞優秀照明賞を受賞。他に、串田和美監督『上海バンスキング』、小泉堯史監督『阿弥陀堂だより』『博士の愛した数式』『明日への遺言』を担当し、同監督・役所広司主演『蜩の記』が2014年秋公開予定。
1959年山口県生まれ。
日本大学芸術学部映画学科卒。在学中よりフリーとして撮影所で働く。1990年に中国映画界へ渡り、中国第五世代の雄・陳凱歌、張芸謀、田壮壮監督作品に参加。以後、日本と中国で活動。当摩寿史監督の日中合作『最後の恋、初めての恋』、伊勢谷友介監督『セイジ 陸の魚』、篠原哲雄監督『スイートハート・チョコレート』佐藤東弥監督『ガッチャマン』などで録音技師を務める。
1972年東京都生まれ。
ミュージックビデオ・テレビドラマ・映画と、多岐に渡る分野で装飾・美術に従事する。代表作である英勉監督『ハンサム★スーツ』、沖田修一監督『南極料理人』では装飾を担当し、篠原哲雄監督『つむじ風食堂の夜』では美術を手掛ける。2014年秋『ベイブルース 25歳と364日』(美術担当)が公開予定。
1950年9月生まれ。東京都出身。
1972年日活に入社。1981年 森田芳光監督『の・ようなもの』でエディター昇格。劇場用映画140本以上を編集。平山秀幸監督『愛を乞うひと』滝田洋二郎監督『おくりびと』など、日本アカデミー賞最優秀編集賞を4回受賞。2009年度、芸術選奨・文部科学大臣賞を受賞。後進の育成にも力を注ぐ。
ギター、ウクレレ弾き語り。地味なテンポでさびしい歌ばかりうたう。
1965年2月10日埼玉県川口市生まれ。2003年バンド「たま」解散。
へっぽこオー ケストラバンド「パスカルズ」ウクレレ、口琴担当。
1955年千葉県館山に生まれる。ミュージシャン、イラストレーター。
現在までに4枚のアルバムを発表するほか、現在もライブ活動を展開中。
1980年代からイラストレーターとして、雑誌のイラスト、本の装画や展覧会参加など で活動。
音楽、絵画の分野のみならず、ナレーションや声優(ストレイシープ・ポー等)など、 多方面でも活躍中。
2015年4月に「謝肉祭 原マスミの世界展」が寺家スタジオ(横浜))にて開催予定。
原マスミ公式ホームページ「人間の秘密」
http://human.secret.jp/
特に注目したいのは、アニメーション作家の吉野ナオコと梶原由貴子(アート・アニメーション のちいさな学校の第1期生、現在NHKプチプチアニメ「エんエんニコリ」のアニメーションを 制作中)が担当した1940年の東京にタイムスリップするシーン。ピクシレーション(人間コマ 撮り)を中心に、当時の絵葉書・ポスター・写真やイラストでコラージュするなど、様々な手法 で制作されている。浅草→東京→丸の内→銀座→新宿ムーランルージュを巡って、戦前の東京の 風景をポップで楽しい世界観に仕上げている。
profile
吉野 ナオコ
フリーのイラストレーターとして活動した後、
東京・阿佐ヶ谷に設立された「アート・アニメーションのちいさな学校」に入学。
久里洋二氏に師事しながらアニメーションを学ぶ。
卒業後、子供向けテレビ番組、ミュージックビデオ等でアニメーション作品をを数本制作。
梶原 由貴子
アート・アニメーションのちいさな学校で久里洋二氏に師事し、アニメーションを学ぶ。
劇映画「へばの」(2008)で助監督、子供向けテレビ番組でアニメーションを製作。
雷神アニメのテーマは『北斎漫画』。雷神が次々と下界の町人たちを驚かせていくというストーリー。 雷神の作画には、ベテランアニメーターのマオラムドこと大橋学が参加。その他アート・アニメー ションのちいさな学校の在校生と、外部からの学生を集めて特別ワークショップを開催し、雷神や 各町人のアニメーションを作画している。そして、実は今回のそのワークショップのアドバイザー として、あの『ルパン三世カリオストロの城』の作画監督である大塚康生さん、手塚プロの小林準治 さんにも助言を頂くという、何とも貴重な体験をした。
風神アニメを担当したのは、「ラーメン小池さん」のモデルで有名な杉並アニメミュージアム館長で もある鈴木伸一。あのトキワ荘の仲間と一緒にスタジオ・ゼロを設立した後、「おそ松くん」や「パ ーマン」、「怪物くん」など数々の有名アニメの作画監督、演出を担当。今回の風神アニメでは、俵 屋宗達の風神を鈴木伸一らしいタッチで生き生きと描いている。雷神と風神は今回神様の中でもメ インキャラクターなので、両作品ともラストに俳優の笑い声が入っているのも見どころの一つ。
海神アニメを担当したのは、アート・アニメーションのちいさな学校の在校生4名。ガラスにオイル ペインティングという手法で、スイマー(海さん)と海の動きをスピード感のある表現で描いている。 このアニメーションの総合ディレクションを、作家としても注目の加藤郁夫(2013年文化メディア 庁推薦作品「くつした」)が担当し、グループ制作をまとめている。
アメノウズメアニメは、今海外でも注目の若手作家である水尻自子が担当。本編に登場するミッキー は、元々は「岩戸隠れ」のくだりなどに登場する芸能の女神であり、日本最古の踊り子の神様。 女性らしい柔らかい線が特徴的な水尻ワールドが、このアメノウズメパートに散りばめられている。 水尻自子の代表作として、2014年ザグレブ国際アニメーション映画祭で「布団」が審査員特別賞を 受賞、ブリュッセル・トゥーン&アニメーション国際映画祭ではグランプリ受賞。また、最新作 「幕」は2015年ベルリン映画祭短編コンペティションで正式出品している。
大国主アニメは、ベラルーシの若手アニメーション作家のYulia Ruditsukayaが担当。あのユーリー ノルシュテインの弟子であるミハエル・タメリヤからの紹介である。彼女はベラルーシのデザイン 大学を卒業して、モスクワの”Shar”という学校のスタジオでアニメーションディレクションをして いる。主に監督、アニメーター、イラストレーター、様々なブランドのアートディレクション、教育 テレビなど。2007年からアニメーションを作り始め、 "Let's Be Belarusians", "Three Angels", "Please, Call Back Later"など短編アニメーションの受賞暦もある。
独特な風合いのある質感で色鮮やかな阿修羅アニメを担当したのは、アニメーション作家のmiiya。 鉛筆の粉をステンシル(型抜き版画技法)したものを原画として使用している。
働いて貯めたお金で阿佐ヶ谷にあるアートアニメーションのちいさな学校夜間平面初級コースに入学、 修了。その後も引き続き同学校の夜間平面アニメーションコースや、一般講座のデータ原口の世界・ 日本のアニメーション史受講をして、3年通い続けて、どのコースもきちんと毎年作品をつくり続け、 修了する。
田の神アニメは、歌って踊れるアニメーション若手作家として活躍している姫田真武が担当。 1988年宮崎県生まれ。多摩美術大学大学院グラフィクデザイン学科修了。
一時的な“うたのおにいさん”へのあこがれから、作詞、口作曲、歌、アニメーション、パフォーマ ンスに手を出し、自作自演のうたとアニメーションを制作している。アニメーション、イラストレー ション制作を中心にフリーランスで活動中。普通レベルに歌って踊って絵は描ける集団“ズンマチャ ンゴ”としても活動中。
劇中のミミが持っている指人形のアニメーションと、不気味な雰囲気が漂う土蜘蛛のアニメーションを 担当したのは、人形アニメーターであり演出家でもある眞賀里文子。代表作は映画『くるみ割り人形』 、『ウルトラQ』、『帝都物語』や『コンタック』、『ドコモダケ』、『液キャベ』のCMなど、子ども向け 作品からCM、特撮アニメーションなど活躍の場が広いベテラン作家。(CMを含めるとこれまで1000 本以上をこなしている!)現在、アート・アニメーションのちいさな学校で学校長として立体アニメー ションを教えている。
フクシマアニメーションは、『人間動物園』、『LOVE』、深夜番組の『11PM』など国内、海外でも評価の 高い久里洋二が担当。この映画のキーポイントでもある本作品は、とても重要な役割を果たしている。
2014年にNHKみんなのうた『われわれは宇宙人だ!』のアニメーションをおよそ40年ぶりに制作し、 その後このフクシマアニメーションの制作に取りかかった。シナリオからの着想で、ストーリーからオ リジナルで考えてもらった。今年で87歳を迎え、現在も作品を作り続けながら、アート・アニメーシ ョンのちいさな学校の講師として、若い世代にアニメーションを教えている。
優しいタッチの赤ちゃんシーンは、鉛筆・水彩・木炭粉・パステルを使用。担当はアート・アニメーションのちいさな学校に在学中の繁村周。大学では日本画を専攻。卒業後、日本の古典絵画・書籍等の文化財修理の仕事に就く。在学中に受 けた、ノルシュテインのアニメワークショップをきっかけに、2013年よりちいさな学校夜間平面コースに通い制作進行中。
花火のような金魚アニメを担当したのは、アート・アニメーションのちいさな学校卒業生である河村誠。第5回ユーリ・ノルシュテイン大賞、アイデア賞受賞の際、ノルシュテインからの励ましで、アニメーションを作り続けようと決心。 現在、精力的に世界全部が動いているアニメーションを目指して活動中。
OH!プロダクション所属のアニメーター。「セロ弾きのゴーシュ」(’80/監督:高畑勲)では全原画を一人で描き上げ、「火垂るの墓」「未来少年コナン」「じゃりん子チエ」等数々の作品で作画、原画を担当。東京工芸大学アニメーション学科教授。
各劇場へお問い合わせください。
いやー、観てよかった!「セシウムと少女」は人に勧めたくなる力作でした。
なによりも、声高タッチを排した、物語の柔らかな造りと語り口が心地良かった。
これなら「アンチ・原発再稼働反対派 」にも説得力を持つのでは、とさえ思いました。
南部英夫/映画監督・脚本家
次にどんな展開がくるのかまったく予想できず、突然のアニメーション&ミュージカルが
また素晴らしく、いつしかストーリーを追うことなどどうでもよくなり永遠にこの映画に身を
まかせていたかったのですが、エンドロールの知久さんの歌で全身鳥肌大感動しました。
トンデモ映画の金字塔、ここに誕生せり。また観たい!何度でも観たいです
元気いいぞう/鈴芸人
「つめ過ぎで、映画的ではないという批判を浴びる程受けた」
という才谷遼監督の言葉を読んだが、とんでもない。
この溢れる思いと怒りこそが映画だ。
この映画こそ、闘うことを忘れた日本映画に降り注ぐセシウムだ。
僕もがんばらねば。
これ以上、世界と映画を悪くしないために。
井上淳一(脚本家、映画監督)
不都合な真実にまみれたご当地映画に乱入するほっこりアニメの群れ!直球過ぎる
情熱の暴走は超ナチュラルなのに超不自然!当たり障りのないものより、よっぽど
存在意義のある創作物じゃないですか。
山岡信貴/映画監督
期待通りの内容でとても満足しました。 個人的には(見せ場でもあると思いますが)、ヒロインミミちゃんと若き日の静ちゃんが
浅草や銀座で遊びまくる「TOKYOPOP」の切り貼りアニメが気に入っています。
そして、実名を出しての政府批判も、監督、勇気あるなと驚きました。普段大きな声で
言いにくいことですが、私も含め同じことを感じている人は多いと思います。
池辺麻子/映画ライター
阿佐ヶ谷に住む少女ミミちゃんと、太古よりこの国に居る7人の奇妙でくたびれた神様たちが「逃げたおばあちゃんの九官鳥」を捜して東京中を駆け巡るひと夏の冒険ファンタジー!
監督は映画館「ラピュタ阿佐ヶ谷」や出版社「ふゅーじょんぷろだくと」を経営する才谷遼。大学時代に岡本喜八監督に師事して以来、ずっと、映画への夢を温め続け、この混沌とした2014年の夏に、新人監督として、遂に満を持してデビュー。 天性の反骨精神から、本人曰く、せっかちなやぶにらみの目線でニッポン近代史の影の断片を 映像でコラージュしていく。もちろん、17歳の少女ミミちゃんの視点を通して、時にファンタジックに、時にリアルに、時にノスタルジックに、かつてみたことない映像体験が展開する。
主演のミミちゃんは映画初主演、17歳の白波瀬海来(しらはせかいら)。一か月に渡るオーデションを経て、満場一致で決定。その瑞々しさは日本映画の新しい発見だ。ほか、神様たちに、映画界からベテラン・川津祐介、山谷初男、演劇界から長森雅人(無名塾)、個性派飯田孝男(発見の会)、なんきん(ワハハ本舗)らが集合。スタッフも加藤雄大(撮影監督)、山川英明(照明)、川島章正(編集)ら、一流メンバーが集結。本作の見どころでもあるアニメパートは人形アニメーターの真賀里文子(代表作『コンタック』『NTTドコモダケ』などのCMアニメーション)が担当。
ミミちゃんは17歳の高校生。両親と3人、中央線阿佐ヶ谷で暮らしている。抜群の記憶力で成績はいつもトップクラス。優等生としては申し分ないが、かなり浮いた存在として、居心地が良くない日々を過ごしている。心のはじっこでいつも思う、“私の本来の場所、本当の自分”とは――――。
ある日の下校時、巨大送電線の下で雷に打たれるミミちゃん。その場に居合わせた雷神のらーさんをきっかけに出会う、風神(ふーさん)・阿修羅(あーちゃん)・大黒天(大ちゃん)・海神(うみさん)・田の神(たーさん)芸能の神(ミッキー)と、摩訶不思議でちょっぴりくたびれた神様たち。
特別養護老人ホームで暮らし、大事にしていた九官鳥を失ってしまった静おばあちゃん。“神様的手段”を使って1940年代の阿佐谷にタイムスリップし、歌う九官鳥“ハクシ”を探す旅に出るミミちゃんと神様たち。16歳の静と、その憧れの詩人・北原白秋との出会いが、内に籠りがちな少女のアイデンティティに揺さぶりをかけていく。
ミミちゃんの運命が変わった“あの日”。東日本大震災の3日後、東京にセシウムの雨が降り注いで以来、食事をするとチクチクと痛む舌の異変。いつしか、舌の痛みの原因を突き止めようと、神様たちとの冒険がセシウムのホットスポットと放射能をめぐるものへと変わっていって―――――。
ミミちゃんはハッピーエンディングを迎えられるのか!?2014年の夏、世にも不思議な大冒険がいま始まる!!
1997年千葉県生まれ。
2013年よりグリーンメディア所属。映画・テレビドラマ・モデルなど幅広く活躍中。本作が映画初主演。天性の瑞々しさがオーデションで満場一致で評価され、全く無名の新人だが異例の大抜擢を受ける。
主な出演作:映画『マンゴーと赤い車椅子』(2015年春公開予定/仲倉重郎監督)テレビドラマ『SHARK』(2014年/日本テレビ)土曜ワイド劇場 『鉄道捜査官14』(2014年/テレビ朝日)『魔法☆男子チェリーズ』(2014年/テレビ東京)モデル『千葉美少女図鑑』。
1963年神奈川県生まれ。
1986年に仲代達矢が主宰する無名塾へ入塾。舞台を中心に映画・テレビドラマ・吹き替えと多岐に渡り活動。
主な出演作:舞台『いのちぼうにふろう物語』、『ドライビング・ミスデイジー』、『ロミオとジュリエット』、大河ドラマ『天地人』(2009年/NHK)映画『ガメラ2 レギオン襲来』(1996年/金子修介監督)『助太刀屋助六』(2002年/岡本喜八監督)『突入せよ!あさま山荘事件』(2002年/原田眞人監督)『陽はまた昇る』(2002年/佐々部清監督)。
1945年大分生まれ。
1968年から演劇活動を始め、大人計画の客演など40本以上の舞台に出演。アンダーグランドの演劇活動を行う。映画、舞台、CM、PV,TVと個性的なマスクを生かし、幅広く活躍。最近では大根仁演出「リバーズエッジ探偵社」にレコード屋の店主役が新しい。
主な出演作:舞台『季節のない街』(2012年/戌井昭人 演出)、映画『ラブドガン』(2004年/渡辺謙作監督)『全然大丈夫』(2007年/藤田容介監督)『ハンサム★スーツ』(2008年/英勉監督)『裁判長!ここは懲役4年でどうすか』(2010年/豊島圭介監督)『ソラニン』(2010年/三木孝浩監督)『雷桜』(2010年/廣木隆一監督)『ノルウェイの森』(2010年/トラン・アン・ユン監督)など。
1935年東京生まれ。
1958年、木下恵介監督の推薦を受けて『この天の虹』で銀幕デビュー。以後青春スターとして大活躍。松竹退社後は、テレビドラマへ活躍の場を広げる。近年は知的で温和な紳士像として知られ、陶芸・絵画などの創作活動でも多才ぶりを発揮。紺綬褒賞受賞。
主な出演作:映画『風花』(1959年/木下恵介)『青春残酷物語』(1960年/大島渚)『けんかえれじい』(1966年/鈴木清順)テレビドラマ『ザ・ガードマン』(1965—71年/TBS)大河ドラマ『春日局』(1989年/NHK)。
1933年秋田県出身。
“はっぽん”の愛称で親しまれる個性派俳優。1953年に劇団東芸で初舞台を踏む。映画『胎児が密漁する時』(若松孝二監督)で脚光を浴び、寺山修司宰の天井桟敷公演『毛皮のマリー』に参加。大河ドラマ『国盗り物語』で人気を不動のものにする。蜷川幸雄演出『王女メディア』では海外でも高い評価を受ける。
他の出演作に映画『火宅の人』(深作欣二監督)『カンゾー先生』(今村昌平監督)『鉄道員(ぽっぽや)』(降旗康男監督)『どろろ』(塩田明彦監督)やテレビドラマなど多数。また、秋田弁で歌うシャンソン「ボン・ボヤージュ」や全曲寺山修司作詞のアルバム「山谷初男の放浪詩集 新宿」を発表するなど味わい深い歌声で歌手としても活躍している。
1959年東京都生まれ。
イラストレーター・漫画家としてデビュー後、自作漫画による各種公告やTV番組のタイトルアニメーション、カードゲームの商品開発およびキャラクターデザイン等を行う。1984年ワハハ本舗の創立に参加。告知公告、グッズイラスト、小道具製作などを手掛けながら、公演にも出演者として参加。1988年CG製作を開始。創作活動の場を紙媒体からWebに移行する。2007年、別名で某バーチャルワールドでの作品発表を開始・継続中。近年は自作楽器の前衛バンド「OBANDOS」の正式メンバーとしても活動中。
1949年福岡県柳川市生まれ。
1972年西南学院大学文学部外国語学科仏語専攻を卒業後、パリに移住。1977年パリ第四大学中退。1978年より読売新聞パリ支局で助手を務め、1992年読売新聞ヨーロッパ社・フランス社長に就任。2000年1月退職。以後パリを拠点に欧州と日本を行き来し、“祭り”文化を調査・研究。共同体における人の行動体系を比較し、大衆文化の違いを通じて日本を再発見中。本作で映画初出演を果たす。
1997年埼玉県生まれ。
CREP所属。現在NOTTVバラエティ番組『アルバイドル』に出演中!
その他ドラマ『近キョリ恋愛~Season Zero~』(日本テレビ)ドラマ『GTO』(フジテレビ)で熱演中!映画初出演の本作ではミミの祖母・静の青春時代を初々しく好演。主な出演作:ドラマ『マジすか学園2』(2011年/テレビ東京)『放課後はミステリーとともに』(2012年/TBS)ドラマ『シャキーン』(2013年/NHK)舞台『ザ・ランド・オブ・レインボウズ』(2013年)
1952年大分市生まれ。
日大芸術学部映画学科在学時より岡本喜八監督に師事。1982年、株式会社ふゅーじょんぷろだくと設立。まんがアニメ専門誌「COMIC BOX」を創刊。1998年、複合施設ラピュタビル(映画館・小劇場・レストラン)をオープン。映画館「ラピュタ阿佐ヶ谷」では邦画旧作上映に注力するとともに、国内外の短編アニメーションを集めた映画祭を開催。2006年「アート・アニメーションのちいさな学校」を開校、事務局長を務める。
黒沢明監督『椿三十郎』『天国と地獄』『赤ひげ』の撮影助手を経験。撮影監督として『連合艦隊』で一本立に。木村大作氏の後を継いで岡本喜八監督『近頃なぜかチャールストン』『ジャズ大名』など担当。大森一樹監督『ゴジラVSビオランテ』、津川雅彦監督『旭山動物園物語 ペンギンが空を飛ぶ』や大林宣彦監督『この空の花―長岡花火物語―』他5本を手掛ける。杉田成道監督『ラストソング』で第18回日本アカデミー賞優秀撮影賞受賞。クロード・ガニオン監督『ケニー』はモントリオール世界映画祭グランプリに輝く。最新作は、神山征二郎監督『救いたい!Doctor’s Wish』が2014年秋公開予定。
1946年新潟県生まれ。
1985年にネパールを舞台にした戸田康貴監督『菩提樹の丘』で照明技師となる。小栗康平監督『眠る男』で日本映画・テレビ技術者協会日本映画技術賞を受賞、今村昌平監督『カンゾー先生』で第22回日本アカデミー賞優秀照明賞を受賞。他に、串田和美監督『上海バンスキング』、小泉堯史監督『阿弥陀堂だより』『博士の愛した数式』『明日への遺言』を担当し、同監督・役所広司主演『蜩の記』が2014年秋公開予定。
1959年山口県生まれ。
日本大学芸術学部映画学科卒。在学中よりフリーとして撮影所で働く。1990年に中国映画界へ渡り、中国第五世代の雄・陳凱歌、張芸謀、田壮壮監督作品に参加。以後、日本と中国で活動。当摩寿史監督の日中合作『最後の恋、初めての恋』、伊勢谷友介監督『セイジ 陸の魚』、篠原哲雄監督『スイートハート・チョコレート』佐藤東弥監督『ガッチャマン』などで録音技師を務める。
1972年東京都生まれ。
ミュージックビデオ・テレビドラマ・映画と、多岐に渡る分野で装飾・美術に従事する。代表作である英勉監督『ハンサム★スーツ』、沖田修一監督『南極料理人』では装飾を担当し、篠原哲雄監督『つむじ風食堂の夜』では美術を手掛ける。2014年秋『ベイブルース 25歳と364日』(美術担当)が公開予定。
1950年9月生まれ。東京都出身。
1972年日活に入社。1981年 森田芳光監督『の・ようなもの』でエディター昇格。劇場用映画140本以上を編集。平山秀幸監督『愛を乞うひと』滝田洋二郎監督『おくりびと』など、日本アカデミー賞最優秀編集賞を4回受賞。2009年度、芸術選奨・文部科学大臣賞を受賞。後進の育成にも力を注ぐ。
ギター、ウクレレ弾き語り。地味なテンポでさびしい歌ばかりうたう。
1965年2月10日埼玉県川口市生まれ。2003年バンド「たま」解散。
へっぽこオー ケストラバンド「パスカルズ」ウクレレ、口琴担当。
1955年千葉県館山に生まれる。ミュージシャン、イラストレーター。
現在までに4枚のアルバムを発表するほか、現在もライブ活動を展開中。
1980年代からイラストレーターとして、雑誌のイラスト、本の装画や展覧会参加など
で活動。
音楽、絵画の分野のみならず、ナレーションや声優(ストレイシープ・ポー等)など、
多方面でも活躍中。
2015年4月に「謝肉祭 原マスミの世界展」が寺家スタジオ(横浜))にて開催予定。
原マスミ公式ホームページ「人間の秘密」http://human.secret.jp/
特に注目したいのは、アニメーション作家の吉野ナオコと梶原由貴子(アート・アニメーション のちいさな学校の第1期生、現在NHKプチプチアニメ「エんエんニコリ」のアニメーションを 制作中)が担当した1940年の東京にタイムスリップするシーン。ピクシレーション(人間コマ 撮り)を中心に、当時の絵葉書・ポスター・写真やイラストでコラージュするなど、様々な手法 で制作されている。浅草→東京→丸の内→銀座→新宿ムーランルージュを巡って、戦前の東京の 風景をポップで楽しい世界観に仕上げている。
profile
吉野 ナオコ
フリーのイラストレーターとして活動した後、
東京・阿佐ヶ谷に設立された「アート・アニメーションのちいさな学校」に入学。
久里洋二氏に師事しながらアニメーションを学ぶ。
卒業後、子供向けテレビ番組、ミュージックビデオ等でアニメーション作品をを数本制作。
梶原 由貴子
アート・アニメーションのちいさな学校で久里洋二氏に師事し、アニメーションを学ぶ。
劇映画「へばの」(2008)で助監督、子供向けテレビ番組でアニメーションを製作。
雷神アニメのテーマは『北斎漫画』。雷神が次々と下界の町人たちを驚かせていくというストーリー。 雷神の作画には、ベテランアニメーターのマオラムドこと大橋学が参加。その他アート・アニメー ションのちいさな学校の在校生と、外部からの学生を集めて特別ワークショップを開催し、雷神や 各町人のアニメーションを作画している。そして、実は今回のそのワークショップのアドバイザー として、あの『ルパン三世カリオストロの城』の作画監督である大塚康生さん、手塚プロの小林準治 さんにも助言を頂くという、何とも貴重な体験をした。
風神アニメを担当したのは、「ラーメン小池さん」のモデルで有名な杉並アニメミュージアム館長で もある鈴木伸一。あのトキワ荘の仲間と一緒にスタジオ・ゼロを設立した後、「おそ松くん」や「パ ーマン」、「怪物くん」など数々の有名アニメの作画監督、演出を担当。今回の風神アニメでは、俵 屋宗達の風神を鈴木伸一らしいタッチで生き生きと描いている。雷神と風神は今回神様の中でもメ インキャラクターなので、両作品ともラストに俳優の笑い声が入っているのも見どころの一つ。
海神アニメを担当したのは、アート・アニメーションのちいさな学校の在校生4名。ガラスにオイル ペインティングという手法で、スイマー(海さん)と海の動きをスピード感のある表現で描いている。 このアニメーションの総合ディレクションを、作家としても注目の加藤郁夫(2013年文化メディア 庁推薦作品「くつした」)が担当し、グループ制作をまとめている。
アメノウズメアニメは、今海外でも注目の若手作家である水尻自子が担当。本編に登場するミッキー は、元々は「岩戸隠れ」のくだりなどに登場する芸能の女神であり、日本最古の踊り子の神様。 女性らしい柔らかい線が特徴的な水尻ワールドが、このアメノウズメパートに散りばめられている。 水尻自子の代表作として、2014年ザグレブ国際アニメーション映画祭で「布団」が審査員特別賞を 受賞、ブリュッセル・カートゥーン&アニメーション国際映画祭ではグランプリ受賞。また、最新作 「幕」は2015年ベルリン映画祭短編コンペティションで正式出品している。
大国主アニメは、ベラルーシの若手アニメーション作家のYulia Ruditsukayaが担当。あのユーリー ノルシュテインの弟子であるミハエル・タメリヤからの紹介である。彼女はベラルーシのデザイン 大学を卒業して、モスクワの”Shar”という学校のスタジオでアニメーションディレクションをして いる。主に監督、アニメーター、イラストレーター、様々なブランドのアートディレクション、教育 テレビなど。2007年からアニメーションを作り始め、 "Let’s Be Belarusians"、"Three Angels"、 "Please, Call Back Later"など短編アニメーションの受賞暦もある。
独特な風合いのある質感で色鮮やかな阿修羅アニメを担当したのは、アニメーション作家のmiiya。
鉛筆の粉をステンシル(型抜き版画技法)したものを原画として使用している。
働いて貯めたお金で阿佐ヶ谷にあるアートアニメーションのちいさな学校夜間平面初級コースに入学、
修了。その後も引き続き同学校の夜間平面アニメーションコースや、一般講座のデータ原口の世界・
日本のアニメーション史受講をして、3年通い続けて、どのコースもきちんと毎年作品をつくり続け、
修了する。
田の神アニメは、歌って踊れるアニメーション若手作家として活躍している姫田真武が担当。
1988年宮崎県生まれ。多摩美術大学大学院グラフィクデザイン学科修了。
一時的な“うたのおにいさん”へのあこがれから、作詞、口作曲、歌、アニメーション、パフォーマ
ンスに手を出し、自作自演のうたとアニメーションを制作している。アニメーション、イラストレー
ション制作を中心にフリーランスで活動中。普通レベルに歌って踊って絵は描ける集団“ズンマチャ
ンゴ”としても活動中。
優しいタッチの赤ちゃんシーンは、鉛筆・水彩・木炭粉・パステルを使用。担当はアート・アニメーションのちいさな学校に在学中の繁村周。大学では日本画を専攻。卒業後、日本の古典絵画・書籍等の文化財修理の仕事に就く。在学中に受 けた、ノルシュテインのアニメワークショップをきっかけに、2013年よりちいさな学校夜間平面コースに通い制作進行中。
花火のような金魚アニメを担当したのは、アート・アニメーションのちいさな学校卒業生である河村誠。第5回ユーリ・ノルシュテイン大賞、アイデア賞受賞の際、ノルシュテインからの励ましで、アニメーションを作り続けようと決心。 現在、精力的に世界全部が動いているアニメーションを目指して活動中。
OH!プロダクション所属のアニメーター。「セロ弾きのゴーシュ」(’80/監督:高畑勲)では全原画を一人で描き上げ、「火垂るの墓」「未来少年コナン」「じゃりん子チエ」等数々の作品で作画、原画を担当。東京工芸大学アニメーション学科教授。
フクシマアニメーションは、『人間動物園』、『LOVE』、深夜番組の『11PM』など国内、海外でも評価の
高い久里洋二が担当。この映画のキーポイントでもある本作品は、とても重要な役割を果たしている。
2014年にNHKみんなのうた『われわれは宇宙人だ!』のアニメーションをおよそ40年ぶりに制作し、
その後このフクシマアニメーションの制作に取りかかった。シナリオからの着想で、ストーリーからオ
リジナルで考えてもらった。今年で87歳を迎え、現在も作品を作り続けながら、アート・アニメーシ
ョンのちいさな学校の講師として、若い世代にアニメーションを教えている。
劇中のミミが持っている指人形のアニメーションと、不気味な雰囲気が漂う土蜘蛛のアニメーションを 担当したのは、人形アニメーターであり演出家でもある眞賀里文子。代表作は映画『くるみ割り人形』 、『ウルトラQ』、『帝都物語』や『コンタック』、『ドコモダケ』、『液キャベ』のCMなど、子ども向け 作品からCM、特撮アニメーションなど活躍の場が広いベテラン作家。(CMを含めるとこれまで1000 本以上をこなしている!)現在、アート・アニメーションのちいさな学校で学校長として立体アニメー ションを教えている。
各劇場へお問い合わせください。
第五福竜丸のシーンで、ドキッとした。身につまされるところがあった。
この映画が若い人たちへのバトンになったらいいと思う。
宝田明
/俳優
原発事故を扱った映画はどれも怒りや悲しみを前面に出すものばかりだった。
たしかに深刻な問題だが、それでは見ていて暗い気持になるばかりだ。
また正論を振りかざす鬱陶しささえ感じる。
その点、アニメをうまく使ったこの映画は軽やかに、また時に楽しくこの深刻な問題を糾弾する。
このテーマに挑んだ映画の中で最も楽しめると同時に、最も鋭く問題の本質に迫っている。
寺脇研
/映画評論家
この映画は優しい映画だ。
杉井ギザブロー
/アニメーション映画監督(「銀河鉄道の夜」)
これは傑作だ! いつもは映画は寝ちゃうけれど、これは寝なかった!
久里洋二
/アニメーション作家・画家
この映画から、書庫に対する才谷さんの敬意が伝わりました。
松原隆一郎
/東京大学教授
『セシウムと少女』は、むしろいい意味で予想を裏切る映画でした。
はじけた感じはどこか喜八節に通じるかもしれません。
たしかに日本のいまの状況を見ていると、こうした作品が出てきて
くれないと困ったことになりそうです。
谷昌親
/早稲田大学教授
才気にあふれたアバンギャルドな映画で、こんなに楽しい映画体験は久しぶりです。
おもちゃ箱の中をひっくり返した映画とはまさにこういう映画のこと。
銭湯でのミュージカルシーンは私もつい踊りたくなりました。
今年のベストワン候補に入れとこうっと。
北川れい子
/映画評論家
いやー、観てよかった!「セシウムと少女」は人に勧めたくなる力作でした。
なによりも、声高タッチを排した、物語の柔らかな造りと語り口が心地良かった。
これなら「アンチ・原発再稼働反対派 」にも説得力を持つのでは、とさえ思いました。
南部英夫/映画監督・脚本家
次にどんな展開がくるのかまったく予想できず、突然のアニメーション&ミュージカルが
また素晴らしく、いつしかストーリーを追うことなどどうでもよくなり永遠にこの映画に身を
まかせていたかったのですが、エンドロールの知久さんの歌で全身鳥肌大感動しました。
トンデモ映画の金字塔、ここに誕生せり。また観たい!何度でも観たいです
元気いいぞう/鈴芸人
「つめ過ぎで、映画的ではないという批判を浴びる程受けた」
という才谷遼監督の言葉を読んだが、とんでもない。
この溢れる思いと怒りこそが映画だ。
この映画こそ、闘うことを忘れた日本映画に降り注ぐセシウムだ。
僕もがんばらねば。
これ以上、世界と映画を悪くしないために。
井上淳一(脚本家、映画監督)
不都合な真実にまみれたご当地映画に乱入するほっこりアニメの群れ!直球過ぎる
情熱の暴走は超ナチュラルなのに超不自然!当たり障りのないものより、よっぽど
存在意義のある創作物じゃないですか。
山岡信貴/映画監督
期待通りの内容でとても満足しました。
個人的には(見せ場でもあると思いますが)、ヒロインミミちゃんと若き日の静ちゃんが
浅草や銀座で遊びまくる「TOKYOPOP」の切り貼りアニメが気に入っています。
そして、実名を出しての政府批判も、監督、勇気あるなと驚きました。普段大きな声で
言いにくいことですが、私も含め同じことを感じている人は多いと思います。
池辺麻子/映画ライター